日本書紀と神話の古代史
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紹介
編纂より一三〇〇年余、近代以降に限っても膨大な研究のあるわが国最初の正史『日本書紀』だが、いまなお未解明の重要な問題が多く存在する。本書ではそのうち、①なぜ『古事記』と『日本書紀』は並行して編纂が行われたのか、②なぜ大量の異伝(「一書曰」)を採録するのか、③王権神話はいつ頃体系化されたのかという問題につき、その理由を詳らかにする。くわえて後半では、兄妹相姦、「稲城」、「祈狩」などの古代社会に特徴的な心性の表出についても分析を行い、それらが変化する時期の仏教説話集『日本霊異記』の検討も行う。『日本書紀』研究の到達点を示す一書。
目次
序
第一部 『日本書紀』と王権神話の研究
第一章 『古事記』序文から『日本書紀』の撰述を考える
第二章 『古事記』・『日本書紀』神話と古代史研究
第三章 王権神話の体系化と海幸彦・山幸彦神話
第四章 古代兄妹相姦へのおそれ ―神の世界は逆さま―
第五章 廏戸皇子の四天王誓願と物部守屋の稲城 ―戦における宗教と信仰―
第二部 古代的心性の変質
第一章 祈狩考 ―古代日本の占いと動物―
第二章 仏教が教えた動物観 ―古代日本の世界観の変質―
第三章 景戒における災と善の表相 ―景戒の批判と自戒―
終 章
あとがき
著者プロフィール
平林章仁 (ヒラバヤシアキヒト) (著)
1948年、奈良県生まれ。1971年、龍谷大学文学部史学科卒業。以降、奈良県内で教諭として教壇に立つかたわら研究活動を行う。1992年に初の単著『鹿と鳥の文化史』(白水社)を刊行、以降コンスタントに著書を刊行する。2002年、「古代日本の王家と氏族の研究」によって皇學館大学(学長・大庭脩)より文学博士号。この間、龍谷大学・堺女子短期大学非常勤講師、龍谷大学仏教文化研究所客員研究員、奈良県王子町史編纂委員等を経て、2007年に龍谷大学文学部史学科教授となり、2017年に定年退官するまで勤務した。近著に『雄略天皇の古代史』、『神武天皇伝承の古代史』(ともに志学社選書)がある。専門は日本古代史。
