-
増補新版 島津四兄弟の九州統一戦
¥3,190
四兄弟と九州統一戦の実相に迫る 九州を統一目前まで切り取った島津四兄弟(義久・義弘・歳久・家久)。彼らは固い絆で結ばれ、無類の強さを発揮して九州統一に邁進した──。一般に流布するこのような四兄弟のイメージには、実は史料的な根拠を見いだすことができません。それでは、なぜ島津氏は北へと攻めのぼり、数々の合戦に勝利を収めることができたのでしょうか? 本書では、これらの疑問に答えるべく、一次史料をもとに九州統一戦を追っていきます。その結果、「面目」が島津氏の行動原理となっていたこと、そして必ずしも「団結」とは言えない、四兄弟の個性的な姿が浮かび上がってきました。九州統一戦の挫折より、四四〇年。戦国島津氏研究の新地平を拓いた名著、ここに復刊。 なお、復刊にあたり、全面的に増補・修訂をおこなった。 目次 プロローグ―島津四兄弟のイメージ 序章 島津四兄弟の生い立ち 一、島津義久の生い立ち 二、島津義弘の生い立ち 三、島津歳久・家久の生い立ち 第一章 薩隅日三か国統一 一、 薩摩・大隅統一 二、島津家久・歳久の上洛と近衛前久の下向 三、日向統一 第二章 高城・耳川合戦の衝撃―九州政治構造の解体 一、大友義鎮(宗麟)の家督継承と北部九州統一 二、大友宗麟の日向進攻と高城・耳川合戦 三、高城・耳川合戦の影響 第三章 肥後進攻の開始 一、肥後進攻の諸前提 二、隈本への番衆派遣と龍造寺隆信の進出 三、水俣城攻めと八代接収 第四章 龍造寺隆信との対決と肥後平定 一、天正十年の肥後出陣 二、天正十一年の肥後出陣 ―阿蘇氏との手切れ― 三、天正十二年の肥前出陣 ―沖田畷の戦い(島原合戦)― 四、天正十二年の肥後国中平定 第五章 筑後・筑前・豊後への進攻と豊臣政権との対決 一、天正十~十三年の畿内情勢と島津氏の認識 二、豊後大友氏との関係悪化と島津義弘の「名代」就任 三、天正十三年の堅志田攻略と阿蘇大宮司家の降伏 四、筑後進攻と豊後進攻計画 五、羽柴秀吉の停戦命令と筑前進攻 六、豊後進攻と九州統一戦の終焉 終章 島津氏にとっての「九州統一戦」の意義 一、豊後からの撤退と秀吉への降伏 二、「九州統一戦」の契機と結果 三、豊臣政権帰順後の四兄弟 著者プロフィール 新名一仁 (ニイナカズヒト) (著) 1971年、宮崎県生まれ。 鹿児島大学法文学部人文学科卒業。広島大学大学院博士課程後期単位取得退学。博士(文学、東北大学)。 みやざき歴史文化館学芸員などを経て、現在は宮崎市教育委員会文化財課市史編さん室専門員、南九州大学非常勤講師。専門は中世後期南九州政治史。 単著に、『室町期島津氏領国の政治構造』、『島津貴久』(以上、戎光祥出版)、『「不屈の両殿」島津義久・義弘』(角川新書)。共著に、『島津氏 鎌倉時代から続く名門のしたたかな戦略』(PHP新書)。編著に、『薩摩島津氏』、『戦国武将列伝11九州編』、『図説中世島津氏』(以上、戎光祥出版)、『現代語訳 上井覚兼日記』1~4(ヒムカ出版)などがある。
-
増補新版 神になった戦国大名 上杉謙信の神格化と秘密祭祀
¥2,860
四百数十年におよぶ謙信祭祀の歴史を一望する 現在でも米沢で崇敬を集める上杉謙信。しかし、彼は越後春日山で没し、米沢には足を踏み入れていない。なぜ、米沢で謙信なのか? その答えは、米沢藩上杉家の謙信祭祀にあった。上杉家は「謙信の家」という強烈な意識を持ち、その遺骸を春日山から会津、会津から米沢へと移して、江戸期を通じて祭祀を継続した。また、明治維新後は旧藩士たちが上杉神社の創建に尽力した。本書では四百数十年に及ぶ謙信祭祀/信仰/顕彰の歴史を追い、上杉家歴代当主が御廟所で行った、謙信と一体化するための「秘儀」等についても明らかにする。なお復刊にあたり、あらたに補論を採録し、全面的修訂をおこなった。 目次 はじめに 序章 家祖・上杉謙信と英雄像 第一章 謙信と真言密教― 春日山城・聖地化構想の破綻 第二章 御堂の成立― 謙信の遺骸と精神的支柱 第三章 米沢藩における謙信の祭祀 第四章 謙信像の継承と変容― 越後流軍学と秘密儀式 第五章 御堂炎上と幕藩体制の終焉 終章 近代日本と謙信像― 上杉神社と最後の遷座 おわりに 補論 江戸時代における「上杉謙信」像の形成 増補新版によせて 上杉謙信関連年表/上杉氏略系図/上杉・吉良・畠山・紀州徳川家 関係略図 主な参考文献 著者プロフィール 今福匡 (イマフクタダシ) (著) 1964年(昭和39年)神奈川県生まれ。 歴史ライター。米沢温故会会員、米澤直江會会員、戦国史研究会会員。 主に、戦国期から江戸期の上杉家および米沢藩に焦点をあてた著作を多く手がける。 著書に、『前田慶次 武家文人の謎と生涯』(新紀元社 2005年)、『直江兼続』(新人物往来社 2008年)、『真田より活躍した男 毛利勝永』(宮帯出版社 2016年)、『上杉謙信「義の武将」の激情と苦悩』(星海社 2018年)、『「東国の雄」上杉景勝 謙信の後継者、屈すれども滅びず』(KADOKAWA 2021年)、『図説上杉謙信 クロニクルでたどる”越後の龍”』(戎光祥出版 2022年)など。
-
前近代傍系皇族・皇胤研究
¥5,830
天皇については膨大な研究の蓄積があるが、天皇から分岐した傍系皇族・皇胤については先行研究が非常に少ない。本書は、陽成天皇の子孫とする説が有力であった清和源氏、実体不明であった冷泉源氏、六波羅攻めの但馬宮、美濃の南朝軍を率いた尾崎宮、出雲国に足跡を残す大覚寺統の土御門宮(柳原宮)、史上唯一の「戦国期在国皇族領主」の遠江木寺宮、伊勢奉幣の「使王」とその代役「使王代」その他に関する論考を集録し、天皇制を周縁・外縁から相対化することを試みる、前近代皇族史研究の基礎となるべき論文集である。 目次 目次 序 第一章 世ノ所謂清和源氏ハ陽成源氏ニ非サル考―源朝臣経基の出自をめぐつて― はじめに 一 源経基裔と源氏爵 二 源経基の初叙 三 天暦七年の王氏爵不正事件と「孫王」経基 四 「源頼信告文案」における系譜の作為性 をはりに 補論一 源経基の位階と「六孫王」号 第二章 冷泉源氏・花山王氏考─伯家成立前史― はじめに 一 「冷泉源氏」に関する疑問 二 昭登・清仁両親王の諸子 三 延信王と康資王 四 康資王の諸子 おわりに 第三章 ショウ王考―建武期前後の傍流皇族をめぐって― はじめに 一 ショウ王の諱、叙任と、その出自に関する先行研究 二 尾崎宮の出自と事蹟 三 六波羅攻めの上将軍「但馬宮」について おわりに 第四章 但馬宮令旨考 はじめに 一 但馬宮(四宮)令旨の存在 二 『播磨清水寺文書』第五号文書と大塔宮 三 『播磨清水寺文書』第五号文書と但馬宮(四宮)・但馬国守護太田氏 おわりに 第五章 前田本『日本帝皇系図』について はじめに 一 前田本『日本帝皇系図』の内容構成と編纂年代 二 前田本『日本帝皇系図』附載「伯」系図 三 前田本『日本帝皇系図』における注目すべき記載 四 前田本『日本帝皇系図』と邦省親王家(花町宮) おわりに 第六章 柳原宮考―大覚寺統の土御門宮家― はじめに 一 日記史料における、柳原宮に関する記載 二 出雲国杵築大社領十二郷と柳原宮 三 柳原宮邦満とその系譜 四 大覚寺統の土御門宮 五 出雲の来待の「土御門親王」 おわりに 第七章 遠州木寺宮考 はじめに 一 邦良親王、康仁親王、邦恒王、世平王 二 邦康親王とその子孫 三 遠江国浜松庄における木寺宮領 四 木寺宮の遠江移住と、妙顕寺日広上人 五 遠江国敷智郡入野の木寺宮 六 『龍雲寺文書』における二点の天正七年文書 七 木寺宮の終焉 おわりに 第八章 中世における皇胤の末流「王氏」とその終焉 はじめに 一 中世における王氏の系統 二 王氏爵に預かって叙爵された王氏(諸王)の実在性 三 『歴名』における王氏(諸王) おわりに 補論二 江戸時代における花山天皇の玄孫 第九章 伊勢奉幣使王代兼字王考 はじめに 一 先行研究に主拠した、兼字王と兵庫寮河越(川越)家の系譜 二 『百年以来近代地下諸家伝』と「真継系圖近代写」における河越家と真継家 三 兼任王と兼久王 四 使王代、兼字王の実体 おわりに 第十章 史料紹介 青木庸行撰『百年以来近代地下諸家伝』 はじめに 一 『百年以来近代地下諸家伝』の概略 二 『百年以来近代地下諸家伝』の記載内容一覧 三 『百年以来近代地下諸家伝』の成立年と、記載の特徴 おわりに 補論三 刀鍛冶の徒弟であった御落胤、伏見宮貞致親王 補論四 越後高田の瑞泉寺に降嫁した鏞宮(政子女王)について 結 あとがき 略系図 著者プロフィール 赤坂恒明 (アカサカツネアキ) (著) 1968 年、千葉県野田市生まれ。1997 年、早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程史学科(東洋史専攻)単位取得退学。2002 年 6 月、早稲田大学大学院文学研究科「博士(文学) 」学位取得。早稲田大学第一文学部助手、聖学院大学・早稲田大学・千葉大学・東海大学・玉川大学・埼玉学園大学非常勤講師等を経て、2018年 5 月、内モンゴル大学モンゴル歴史学系特聘副研究員(副教授) 、同年 12 月、同特聘研究員(教授) 、2023 年 4 月、退職(任期満了) 。2025 年 4 月現在、早稲田大学・千葉大学・和光大学非常勤講師。
-
中国史史料研究1
¥2,200
紹介 中国史史料研究会が発行する初の専門学術論文集。 目次 ・吉本道雅「六十自述」 ・佐藤信弥「礼説のはじまり―禘祭を例として―」 ・平林緑萌「研究ノート:墨子生国攷」 ・山田崇仁「『歴代三宝紀』帝年に記される周王の諡号・諱について」 著者プロフィール 吉本道雅 (ヨシモトミチマサ) (著) 京都大学大学院文学研究科教授/博士(文学) 佐藤信弥 (サトウシンヤ) (著) 立命館大学白川靜記念東洋文字文化研究所客員研究員/博士(歴史学) 平林緑萌 (ヒラバヤシモエギ) (著) 志学社代表社員・文筆家/修士(文学) 山田崇仁 (ヤマダタカヒト) (著) 元花園大学准教授・立命館大学白川靜記念東洋文字文化研究所客員研究員/博士(文学)
-
台湾老卓遊 台湾レトロテーブル
¥3,520
台湾テーブルゲームの発展史を包括的に捉えた唯一の書、待望の邦訳! 100種を超えるゲームを、600点を超える豊富なカラー図版で紹介。 「不動産ゲーム」「終点ゲーム」「ウォーゲーム」「人生シミュレーション」「ギャンブルゲーム」「Touring」「Uno」「比大小」「棋類ゲーム」…… 「大富翁」「亀博士升学」「幸福人」「天地牌」「非洲尋宝」「地球大宝蔵」「包青天審案」「大家来破案」「銀行大亨」「魔鬼連長」「三国志武将瘋雲録」「貝貝公主」「狡兎三窟」…… ボードゲームブームの背景には、台湾の長きにわたるテーブルゲームの歴史があった! ゲーマー/コレクターであり、かつ研究者でもある陳介宇博士は、20年以上にわたりこの分野の第一人者として、人生の大半を台湾のレトロテーブルゲームの収集と研究に費やしてきた。本書では、清朝末期・日本統治時代から中華民国期に至るまで、100種類を超えるゲームを600点を超えるフルカラー図版とともに紹介。台湾近現代史の一側面が、レトロゲームを通じて浮かび上がる。 書誌情報 書名:台湾老卓遊:台湾レトロテーブルゲーム図鑑 著者:陳介宇(著)・陳芝婷(著)/赤野工作(翻訳) A5判・256ページ ISBN:978-4-909868-12-1 税抜価格:3200円 発売予定日:2024年05月27日 目次 まえがき 由此去(さあ、ゲームスタート!) 第一章 ボードゲーム 一、不動産ゲーム 二、終点ゲーム 三、ウォーゲーム 四、人生シミュレーション 五、ギャンブルゲーム 六、テレビゲーム改編 七、野球ゲーム インタビュー:「龜博士升學」の創作背景と追憶──李平風先生 インタビュー、「非洲尋寶」の父──張瑩鎮先生 第二章 カードゲーム 一、独自のメカニズムを持つもの 二、Touringに類するルール 三、Unoに類するルール 四、比大小 五、セットコレクション 六、その他 インタビュー、「飛車龍虎鬪」の誕生──胡衍榮博士 第三章 棋類ゲーム 一、伝統的将棋ゲーム 二、オリジナルの将棋ゲーム 三、オールインワンセット 第四章 ゲームコレクション あとがき 訳者あとがき 付録 台湾テーブルゲーム年表 執筆者紹介 陳介宇(チンカイウ) 1983年台北生まれ。台中で育つ。幼い頃より台湾のレトロテーブルゲームやTRPGに親しみ、中学時代にはMTGに熱中する。大学入学後は海外のアナログゲームに触れ、それらを紹介するようになった。2008年に台湾のレトロテーブルゲームを紹介するブログを開設、2010年には文化審議会の台湾百科事典に専門家としてレトロテーブルゲームに関する記事を執筆。専門分野はテスト評価、乳児の社会的・感情的発達、社会的感情の発達など。米オレゴン大学にて教育学博士を取得。現在は国立台北教育大学特殊教育学系副教授。台湾で初めてテーブルゲームの教育への応用を提唱した研究者でもある。 陳芝婷(チンシテイ) 幼少期から年長者たちとチェス、ブリッジ、麻雀をすることを好んだ。大学時代にヨーロッパのボードゲームに触れ、約20年の間に1,000種以上をプレイする。夫である陳介宇のアメリカ留学に同行し、ともにフリーマーケットめぐりをするなど、最大の理解者として彼の活動に伴走する存在である。台中教育大学幼児教育研究所にて修士号を取得。現在はコラムの執筆なども行う。 赤野工作(アカノコウサク) ゲーマー。カクヨムに連載していた架空のゲームレビューの体裁をとる小説『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』(KADOKAWA、2017)で小説家デビュー。『ユリイカ』、『SFマガジン』等にも小説を寄稿する。共著に『ゲーマーが本気で薦めるインディーゲーム200選』(星海社新書、2021)などがある。本書が初の翻訳書となる。
-
神武天皇伝承の古代史
¥3,300
初代天皇たる神武天皇(カムヤマトイワレヒコ)は、天孫・ニギノミコトの曾孫である。歴史的実在/非実在にかかわらず、その名が皇統譜に記載され、記紀に東遷伝承が採録されていることは事実である。このことは、神武伝承が歴史的に形成されたことを意味する。それでは、なぜヤマト王権の始祖王たる神武は日向で生まれ、母系を隼人とし、そしてまた東遷にあたって多くの事蹟が伝えられるのであろうか。本書ではこれらの課題に対し、「不可解であるから後代の造作・捏造である」という無責任な立場をとらない。神話/伝承は恣意的な後筆によってその地位を確立できるようなものではないゆえである。記紀をはじめとする文献、そして富雄丸山古墳出土蛇行鉄剣などの考古的成果を駆使し、神武伝承が歴史的に必然性をもって成立したこと、そしてその時期が限定されることを説得的に提示する。 目次 序 第一章 神武天皇東遷伝承形成史論 ‐阿陀の鵜養と吉野の国栖‐ はじめに 神武天皇と吉野川流域Ⅰ -『古事記』の所伝- 神武天皇と吉野川流域Ⅱ -『日本書紀』の所伝- 「鵜飼が伴」の助け -久米歌の中の阿陀の鵜養- 鵜養の文化 ‐鵜葺草葺不合命の誕生神話と鵜の信仰- 蟹守と蟹の呪術 ‐『古語拾遺』の鵜葺草葺不合命出産の神話- 「阿太の別」氏と「鵜甘部首」氏 大和国宇智郡の隼人 井氷鹿と石押分之子 -吉野の国栖を中心にして- 始祖土中出現神話と隼人 大和国宇陀郡の南九州系集団 ‐蛇行鉄剣と関わって‐ 畿内に移住した隼人とその実態 熊襲・隼人と渡来系集団の関係 国栖と「日の御子」と山背の隼人と 国栖笛工・山城氏について 神武天皇東遷伝承の文化史的特徴 ‐馬匹文化との関連‐ 八咫烏伝承について ‐賀茂氏と神武天皇東遷伝承‐ 隼人の畿内「移配」説と神武天皇伝承 神武天皇伝承と反映説の検討 日向神話と隼人と王権神話 熊襲から隼人へ ‐王権の時代観‐ おわりに ‐神武天皇の神話的位置づけと阿陀の鵜養‐ 註 第二章 神武天皇伝承と賀茂の事代主神 ‐摂津の三嶋溝咋の神話と関連氏族‐ はじめに 富登多多良伊須須岐比売命の誕生 -丹塗矢型神婚神話- 大和葛城と山背葛野の賀茂氏 八尋熊鰐と化した事代主神 三嶋溝咋とは何者か 三嶋溝咋関連の先行研究 三嶋溝咋の素姓 おわりに 註 第三章 葛城の迦毛大御神の信仰と祭祀 ‐アヂスキタカヒコネ神の古代史‐ はじめに アヂスキタカヒコネ神の神話 迦毛大御神=アヂスキタカヒコネ神の奉斎 アヂスキタカヒコネ神の神格Ⅰ ‐「アヂ」をめぐって‐ アヂスキタカヒコネ神の神格Ⅱ ‐「スキ」をめぐって‐ アヂスキタカヒコネ神の信仰 おわりに 註 第四章 大和の水分とヤマト王権の水源祭祀 はじめに -水分とは- 吉野水分神社 宇太水分神社 都祁水分神社 葛木水分神社 葛木水分と葛木御県 石川錦織許呂志 忍海刀自 古代忍海地域の人々 おわりに 註 第五章 白河上皇高野参詣の「火打崎」行宮の所在地 -古道から探る- はじめに 『白河上皇高野御幸記』の旅程 鳥羽上皇の高野参詣の行程 論点の整理 古代の交通路からみた宇智郡 奈良時代の紀伊行幸の旅程 宇智郡の「火打」関連地名 先行説の検討 おわりに 註 終 章 神武天皇伝承の形成とヤマト王権 註 あとがき
-
形似神異 中日伝統政治文化の系譜
¥4,400
中国と日本は、どこがどう違うのか──。 「同文同種」、「一衣帯水」と同質性や共通性が強調されてきた中国と日本。しかし、両国の近代史がまったく異なる展開を辿ったことからも明らかなように、両国の政治文化の根底には決定的な違いが存在する。本書は「皇権と革命」、「郡県と封建」、そして「王権と神仏」の三つの観点から詳細に比較検討することで、従来「東洋」として「西洋」に対して一括りにされてきた両国の間には決定的な違いがいくつも存在することを明らかにする。清末以降、中国の知識人を苦しめてきた難問に、中国史学の理論的牽引者が挑む長編論考、早くも邦訳。 目次 日本語版序 【序】「大同に小異を求む」 【上篇】皇権と革命―政治権力の合法性 一 皇帝と天皇―「天に二日無し」あるいは「天下を共にす」 二 忠誠と反逆―政治倫理的絶対と相対 三 革命と改良―「王朝交代」か「体制一新」か 四 「革命」か「放伐」か―初歩的な議論 【中篇】郡県と封建―国家形態と社会構造 一 日本は律令国家だったのか―二重体制と重層構造 二 皇権は県を下る―中国の郡県制と科挙制 三 古代日本から近世日本まで―親藩、譜代と外様 四 近代に向かって―封建と郡県の利害得失 【下篇】王権と神仏―イデオロギーと宗教・信仰 一 公家、武家、寺家の鼎立―信長の延暦寺焼き討ちから 二 「皇帝は当今の如来なり」―政治に屈服した中国宗教 三 「権門」と「方外」―仏教の政治文化における相違 四 中世からの脱却―近代化の過程における宗教の位置 五 結論とは言えぬ結論―日中政治文化、政教関係の遺伝子 付録 【書評】 同文同種は大いなる誤解か―尾藤正英『日本文化の歴史』 中世の日本、朝鮮と大明―田中健夫『中世対外関係史』 東アジア外交史の「名」と「器」―周一良訳、新井白石『折たく柴の記』 思想史の政治倫理問題として―丸山眞男『忠誠と反逆』 古琉球史から見る国境内外と海洋アジア―村井章介『古琉球海洋アジアの輝ける王国』 葛兆光教授『形似神異』―翻訳出版趣意書―(辻康吾) 葛兆光氏の論を読む(新井孝重) 著者プロフィール 葛兆光(カツチョウコウ)(著) 北京大学および同大学院中文系(中国文学部)中国古典文献学専攻を修了後、清華大学歴史系(史学部)教授を経て、現在は復旦大学文史研究員および歴史系文科資深教授(シニアプロフェッサー)。米国プリンストン大学、シカゴ大学、ハーバード大学、日本東京大学、京都大学等で客員教授を歴任。主な研究分野は東アジアと中国の宗教、思想文化史。 主な著作に『宅兹中国:重建有関“中国”的歴史論述』(中華書局、2011年。邦訳は橋本昭典・佐藤実訳『中国は“中国”なのか:「宅兹中国」のイメージと現実』東方書店、2020年)、『何為中国』(オックスフォード大学出版社、2014年。邦訳は辻康吾監修・永田小絵訳『完本中国再考』岩波書店、2014年)、『歴史中国的内与外』(香港中文大学出版社、2017年)等。 新井孝重(アライタカシゲ)(監訳) 早稲田大学大学院博士課程修了。博士(文学)。中国復旦大学地理歴史研究所客座研究員、獨協中学高等学校教諭、獨協大学経済学部教授を経て、現在獨協大学名誉教授。 主な著作に『中世悪党の研究』(吉川弘文館、1980年)。『東大寺領黒田荘の研究』(校倉書房、1997年)。『黒田悪党たちの中世史』(日本放送出版協会、2005年)。『日本中世合戦史の研究』(東京堂出版、2014年)。『中世日本を生きる遍歴漂浪の人びと』(吉川弘文館、2019年)等。 永田小絵(ナガタサエ)(訳) 翻訳家。東京大学大学院博士後期課程満期退学、修士(学術)。二松學舍大学大学院博士前期課程修了、修士(文学)。現在、東洋大学博士後期課程に在学中。 主な訳書に、李佩甫著/辻康吾監修『羊の門』(勉誠社、2003年)、葛兆光著/辻康吾監修『完本中国再考:領域・民族・文化』(岩波現代文庫〈学術439〉、2021年)、葛兆光著『中国史の舞台裏』(アジア調査会『アジア時報』誌に2023年より連載中)。共訳に、蘇暁康・羅時叙・陳政著/辻康吾監修『廬山会議:中国の運命を定めた日』(毎日新聞出版、1992年)、家其・高皐著、辻康吾監修『文化大革命十年史』(岩波書店、1996年)等。 判型:四六判 240ページ ISBN:978-4-909868-18-3 C0020 本体価格:4,000円(税込4,400円)
-
巫・占の異相──東アジアにおける巫・占術の多角的研究──
¥3,960
「巫術」「占術」は「人類普遍の営み」である いまだに「迷信」というイメージのつきまとう「巫術」「占術」であるが、その実、古今東西人類普遍の営みであり、 そうであるならば学問の対象としての価値は言うまでもない。 本書の出発点となった国際日本文化研究センターの共同研究会では、「人類普遍の営み」であることを念頭に、 学際的・多角的な検討を掲げ、分野・時代・地域を超えて多くの研究者の参加を得た。 加えて、本書を編むにあたっては、共同研究会のメンバーにとどまらず、関連する研究を行っている専門家からも寄稿を得た。 中国殷代の甲骨文から始まり、古代・中世の日本列島や琉球、朝鮮のさまざまな占いや巫術を経て、 現代の沖縄・横浜中華街の占いに至る11篇の論考により、 日本列島を軸とした占術と巫術の空間的・ 歴史的な展開が多面的に浮かび上がる。 【目次】 まえがき 吉村美香 第1章 古代中国の占術と巫術 「殷墟卜辞と商の王権」小南一郎 「巫・靈・毉・筮」大形徹 第2章 古代日本の占いとその周辺 「陰陽道の祭祀、百怪祭をめぐって」山下克明 「日本古代の憑依託宣と卜占」上野勝之 「祈狩考―古代日本の占いと動物―」平林章仁 第3章 占術・相術・信仰の受容と展開 「日本中世初期の都市構造と気脈や地勢を重視する風水思想との関わり ―平清盛の福原・源氏将軍の大倉御所・後鳥羽院の水無瀬離宮― 」豊田裕章 「大雑書の易をめぐる書林の動き」奈良場勝 「琉球の『観音霊籤』 」山里純一 第4章 占いと巫術の現在 「沖縄シャーマニズムにおける巫術・占術の変容と展開」塩月亮子 「横浜中華街における占い店舗の集積と占いの受容」中町泰子 「東アジア三国における『霊棋経』の存在様相」吉村美香 著者一覧 判型:四六判 360ページ ISBN:978-4-909868-10-7 C3014 本体価格:3,600円(税込3,960円)
-
完訳 華陽国志
¥5,060
「中国最古の地方誌」待望の完訳 『華陽国志』は『越絶書』とともに「中国最古の地方誌」と呼ばれる。 その記述内容は、現在の四川省を中心とする中 国古代西南地方の神話・地理・歴史・経済・社会の実態や諸部族の活動記録に及ぶ。 古蜀王国や秦時代の施政については『史記』に記されない。 また、前漢末から魏晋時代に割拠した公孫述、劉焉・劉璋父子、劉備・諸葛亮ら 蜀漢の人物、成漢の李特・李雄らについては 『後漢書』・『三国志』・『晋書』よりも豊富な材料を提供する。 版本間の異同が大きく、未だ定本のない難解な一書の現代日本語訳に、第一人者が挑んだ労作。 【目次】 序 第一章 巴志・漢中志―各地方の記録(一) 第二章 蜀志・南中志―各地方の記録(二) 第三章 公孫述劉二牧志・劉先主志・劉後主志―華陽を繞る興亡史(一) 第四章 大同志・李特雄期壽勢志―華陽を繞る興亡史(二) 第五章 先賢士女總賛上・中・下―華陽の人々(一) 第六章 后賢志―華陽の人々(二) 第七章 序志・益梁寧三州先漢以来士女目録―『華陽国志』とは 著:常璩 訳:中林史朗 判型:四六判 398ページ ISBN:978-4-909868-09-1 C0022 本体価格:4,600円(税込5060円)
-
乙訓の原像・続々編
¥4,180
山背国中部に位置することから、我が国の古代史の中にあって重要でありつつ、 しかして未だ未解決の問題が多いのが乙訓郡(現在の京都市長岡京市、向日市、伏見区および西区の一部など)である。 著者は長年、この乙訓地域の歴史について、文献・考古・歴史地理などさまざまな手法を駆使して格闘してきた。 本書は『乙訓の原像』『乙訓の原像・続編』に続くその研究成果であり、著者の遺著である。 著:中村修 判型:四六判 360ページ ISBN:978-4-909868-08-4 C0321 本体価格:3,800円 発売:2022年8月15日
-
増補新版 通州事件
¥3,190
憎しみの連鎖を断ち切るためには、実証的に知ることが必要だ 盧溝橋事件による日中戦争開始から約三週間後の一九三七年七月二九日。 北京にほど近い通州で、日本の傀儡政権である「冀東政権」麾下の中国人部隊・保安隊が突如反乱を起こした。 「通州事件」と呼ばれるこの反乱によって、二二五名の日本居留民(うち一一一名が朝鮮人)が殺害された。 現在の日本国内における通州事件に対する認識と議論は、残念ながら日本居留民の殺害のみに着目し、 中国人兵士の残虐さを強調し、ひいては中国そのものへの憎悪を煽るプロバガンダ、 あるいはヘイトスピーチの水準にとどまるものがほとんどである。 本書は、通州事件の原因や予兆の有無、責任の所在、弔慰金における日朝格差、 報道機関によるプロパガンダ利用、被害者家族のその後──こうした諸問題について、 資料に基づき実証的な見地からその全貌を捉えなおすものである。 事件発生から八五年が経過しようとしている。 隣国への憎悪を煽るためでなく、断ち切るためにこそ通州事件を知り、繰り返さないこと── それこそが、後世に生きる我々のつとめではないだろうか。 ※本書は2016年に星海社より刊行された『通州事件 日中戦争泥沼化への道』を大幅に改訂のうえ、 新たに第四章、辻田真佐憲氏によるコラム、資料編を加え、再編集を行なったものです。 【目次】 増補新版刊行にあたって 凡例 第一章 通州事件前史 コラム 親日傀儡政権を打倒せよ! 中共の抗日秘密工作 第二章 通州事件の経過 コラム 今に遺る通州事件の痕跡 第三章 通州事件に残る疑問 コラム 通州事件の歴史写真をめぐって 第四章 通州事件被害者家族の戦後 コラム 楽土冀東は夢なりき 親日支那政権と軍歌について(辻田真佐憲) おわりに あとがき 資料編 櫛渕久子インタビュー 加納満智子インタビュー 関連新聞報道 著:広中一成 判型:四六判 256ページ ISBN:978-4-909868-07-7 C0321 本体価格:2,900円(予価) 発売:2022年7月20日予定 現在、弊社が把握しているWebで購入可能な書店様です。Webでのご発注の参考にどうぞ。
-
漢文の学び方
¥2,200
気取らず、ユニークで、役に立つ。これぞ魚返流漢文学習法! 魚返先生は、学習者として、そして教師として長年深く漢文に関わり、 「漢文とは一体なんだろう?」と長年頭をひねってきた人です。 その先生が導き出した答えは、 「漢文は符号語であり、一種の暗号言語である」というものであります。 では、この──現代中国人にすら読解が極めて難しい──暗号言語を、 われわれ日本人はどのように学習していくべきでありましょうか。 それにはまず、漢文に対する誤解を取っ払い、暗号の法則(文法)をつかみ、 そして幅をもたせて訓読していくことである、と魚返先生は語ります。 本書は気取らない文体で書かれた「学び方」の参考書でありますが、 現代、そして未来の読者が漢文の本質に近づくとともに、 あわせて日本語の姿をかえりみるよすがにもなると信じ、 七〇年ぶりにこの名著を復刊するものであります。 ※本書は1953年至文堂刊行の原著に、例文の詳細な出典を追加するなどし、 より読みやすく、より学びやすくした復刊書籍です。 ※本書は所謂「受験用の漢文学習参考書」とは異なります。 【目次】 一 漢文は誤解されている 二 話し言葉と書き言葉 三 文体のX・Y・Z 四 漢文の始まり 五 竹ベラにウルシで書く 六 漢文は暗号である 七 漢文はラテン語以上 八 漢文訓読の理由 九 漢文とシナ語は別物 一〇 漢文と国語の関係 一一 学習者の出発 一二 漢文的なもの 一三 漢字を正確におぼえよ 一四 部首と音訓索引 一五 「形・音・義」「義・音・形」 一六 漢語と「漢語まがい」 一七 中国の連語と日本の漢語 一八 漢文調の日本文 一九 本格的な漢文 二〇 過去の教科書 二一 現在の教科書 二二 教科書の批判 二三 純粋漢文と古典文学 二四 訓読は幅を広く 二五 漢文音読論の批判 二六 漢文の文法 二七 主体語(subjectives) 二八 代名詞(その一) 練習問題(一) 二九 代名詞(その二) 三〇 代名詞(その三) 三一 代名詞(その四) 練習問題(二) 三二 名詞(その種類) 三三 名詞(その構造) 練習問題(三) 三四 名詞の同類 三五 説明語(descriptives) 三六 動詞(完全と不完全) 三七 繋詞 練習問題(四) 三八 助動詞 三九 形容詞 練習問題(五) 四〇 副詞(その一) 四一 副詞(その二) 練習問題(六) 四二 連結語(connectives,その一) 四三 連結語(その二) 練習問題(七) 四四 連結語(その三) 四五 表情語(ejaculatives,その一) 四六 表情語(その二) 四七 表情語(その三) 四八 漢文のテクスト 四九 漢文と華語の距離 五〇 古代の詩の見本 五一 古代の論説文 五二 中世の散文の見本 五三 中世の詩の見本 五四 近世の文語文 五五 現代の文語文 五六 日本漢文の見本 五七 中国人と文学 五八 殷・周の時代 五九 漢・六朝 六〇 唐の文と詩 六一 宋・元時代 六二 明・清の小説 六三 現代中国の文学 附録 魚返善雄著作一覧 著:魚返善雄 判型:四六判 208ページ ISBN:978-4-909868-06-0 C0387 本体価格:2000円(予価) 発売:2022年4月6日
-
増補新版 漢帝国と辺境社会
¥2,970
鮮やかによみがえる「対匈奴最前線」──漢帝国の長城のまもりと、辺境に生きた人びとの姿 秦の始皇帝の時代、将軍・蒙恬によって匈奴は豊かなオルドスの牧地から黄河の北へと駆逐された。 しかし、秦末の混乱に乗じて冒頓単于は匈奴の勢力を再編・拡大し、あらたに誕生した漢帝国に対して優位に立った。 この関係が転じるのはくだって武帝期のことで、 衛青・霍去病といった有能な将軍の出現もあって、漢帝国は「河西通廊」の確保に成功する。 河西通廊には郡が置かれ、漢帝国の辺境かつ対匈奴の最前線となった。 本書では、北辺の守りとして長城とともにこの地に設置された望楼や城砦、 そこで勤務する兵士たちの生活、文書伝送のシステムなど、 帝国の辺境かつ「フロンティア」の様相を、出土文字史料である漢簡を駆使して復原する。 匈奴の侵入にはいかに対処したのか。兵士たちはどんな日常生活を送っていたのか。 北辺の官吏たちはいかなる職務をになったのか。そして、長城や城砦は、匈奴から何を守るために置かれたのか──。 99年刊行の同名書に、大幅な改訂をほどこすとともに、新たに補篇「書記となるがよい」を加えた決定版。 ・目次 プロローグ 第一章 河西の争奪 1 匈奴の興起 2 黄河の西へ 第二章 烽燧・長城・関所 1 望楼と城砦 2 長城—辺境の防壁 3 道と関所と宿駅 第三部 兵士たちの日々 1 長城をまもる人々 2 戍卒たちの仕事 3 騎士—辺境の機動部隊 第四章 下級官吏の世界 1 北辺の役人たち 2 勤務評定と昇進 3 文書と帳簿のはたらき 第五章 辺境に生きる 1 さまざまなトラブル 2 吏卒の家族たち 3 病気と休暇と死 第六章 フロンティアの構造 1 田官と屯田 2 オアシスの相貌 エピローグ 補篇 「書記になるがよい」 あとがき 増補新版あとがき 参考文献一覧 図版一覧 著:籾山明 判型:四六判 288ページ ISBN:978-4-909868-05-3 C0322 本体価格:2700円
-
雄略天皇の古代史
¥3,630
「大悪天皇」か、それとも「有徳天皇」か──。 雄略天皇の治世は、おおよそ5世紀後半に比定される。 中国史書に「倭国」として登場するこの時期の日本は、各地で巨大な前方後円墳が営まれる古墳時代であり、 豪族たちによる激しい権力抗争が繰り広げられていた。 倭王の権力はいまだ盤石とはいえず、ヤマト王権は豪族たちが連合して倭王を推戴し、 それぞれの職掌を分担する非専権的王権であった。 豪族連合たるヤマト王権を専権的王権へと発展させ、 新たな政治体制を構築した人物こそが雄略天皇である、とする評価がある。 しかし、雄略死後の王位継承の混乱と王統断絶、 そして6世紀初頭に傍系から継体天皇が即位するに至ることを考慮すれば、 雄略朝を単純に画期と評価してよいのか、なお疑問が残る。 本書では、雄略天皇に関する記紀の所伝、出土文字史料、そして中国史書から王権と豪族の動向を復原し、 5世紀後半から6世紀前半にいたる時期のヤマト王権の政治史復原を試みる。 豪族の連合体である「遅れた」政権から、より「進んだ」専権的王権へ── という「進化論的古代史観」を克服し、先入観を排した古代史像を描き出す。 ■目次■ 序 論 なぜ雄略天皇か ―課題と、それに向き合う基本的立場― 第一部 『記』・『紀』が伝える雄略天皇とその治世 第一章 雄略天皇の即位 ―葛城氏とライバルの王族を滅ぼす― 第二章 「日の御子」と称えられた雄略天皇 第三章 雄略天皇と葛城の一言主神 ―有徳天皇か― 第四章 秦氏の渡来と雄略天皇の秦氏優遇策 第五章 雄略天皇に追放された葛城の高鴨神の真実 第六章 雄略天皇と采女と物部氏 ―大悪天皇か― 第七章 吉備氏の征圧と雄略天皇の死去 第二部 埼玉稲荷山古墳出土鉄剣銘文から描く雄略天皇とその時代 第一章 鉄剣銘文と獲加多支鹵大王 第二章 鉄剣銘文の八代の系譜について 第三章 銘文から雄略朝の時代と社会を描く 第三部 『宋書』倭国伝から知られる倭王武とその治世 第四部 雄略朝王権専制化画期説の検討 結語にかえて 雄略天皇は旧体制を打破・新体制を確立できたか 参考文献/あとがき 著:平林章仁 判型:四六判 368ページ ISBN:978-4-909868-04-6 C0321 本体価格:3300円 発売:2021年6月30日
-
藤原仲麻呂政権の基礎的考察
¥3,960
わが国における律令官僚制政治は、その本格的導入をはかった 藤原不比等の孫・仲麻呂に至り、いちおうの完成を見ることとなった。 仲麻呂政権は、聖武天皇亡きあと、孝謙天皇の即位後もなお実権を握り続けた 光明皇太后の後ろ盾に基づいて成立したものであり、 「光明皇太后・仲麻呂政権」とも言いうるものであった。 仲麻呂はさらに、独身女帝である孝謙天皇の後継として 淳仁天皇を擁立することに成功し、「淳仁・仲麻呂政権」が成立する。 しかし、太上天皇となった孝謙と淳仁との対立が深まると、 孝謙は天皇大権を淳仁から剥奪することを宣言し、 仲麻呂は挽回を図るも滅亡に追い込まれる。 仲麻呂政権は、孝謙天皇の即位から数えて15年間に及ぶ。 本書では、仲麻呂政権の特質と、前後も含めた政治史を仔細に検討することで、 「女帝の時代」であり「太上天皇の時代」でもある奈良朝における最大の問題である、 「天皇専権」と「貴族専権」のせめぎ合いの実相を解明するものである。 高科書店より1993年に刊行され、ながらく入手困難となっていた論文集に、 新たに書き下ろしを加えての復刊。 著:木本好信 判型:四六判 352ページ ISBN:978-4-909868-02-2 C0321 本体価格:3600円 発行:2021年3月19日
-
不老不死――仙人の誕生と神仙術
¥2,200
古代中国において、死は単純な「終わり」ではなく、「再生のはじまり」であった。 精神は「鬼」となり、生き続けた。しかし、肉体は朽ちる。 この肉体を不滅のものとしたのが不老不死の「仙人」である。 本書では肉体の保存法にはじまり、仙人の誕生、不老不死を求め狂奔する皇帝たち、 ときに猛毒をも含んださまざまな仙薬、そして房中術など「気」を用いた長寿法についても詳述する。 信用のおけない来世よりも、いつまでも若々しくこの世に永らえたい── 「不老不死」の欲望が多様な神仙術を生み出していくさまを、死生観の変化とともに解き明かしていく。 著:大形徹 判型:四六判 224ページ ISBN:978-4-909868-02-2 C0322 本体価格:2000円 発行:2021年2月19日
-
木簡学入門
¥2,750
地下から陸続と立ち現れる簡牘帛書等の出土文字史料は、 いまや中国古代史を研究するうえで避けて通れないものとなった。 まとまった簡牘の獲得は20世紀初頭に始まるが、 その研究が本格的に開始され、「木簡学」が提唱されるのは1974年といささか遅れてのことであった。 著者は日本における漢簡研究の揺籃時代より、 急逝するまでの半世紀にわたり「木簡学」分野におけるトップランナーのひとりであった。 その著者が初学者に向けて著した本書もまた、 初刊より40年を経てなお朽ちぬ魅力をたたえた、「木簡学」の基本書である。 著:大庭脩 ISBN:978-4-909868-01-5 C0322 本体価格:2500円 発行:2020年11月27日
-
侯景の乱始末記──南朝貴族社会の命運
¥1,980
激動の中国南北朝時代を独創的に描出した名著、ここに再誕 南朝梁の武帝のながきにわたる治世の末に起こり、 江南貴族社会を極度の荒廃に陥れることとなった侯景の乱を活写した「南風競わず」。 東魏に使いしたまま長年江南に帰還するを得ず、 陳朝の勃興に至る南朝の黄昏に立ち会う生涯を送った一貴族を描く「徐陵」。 そして、西魏・北周・隋の三代にわたり、 北朝の傀儡政権として存続した後梁王朝を論じる「後梁春秋」。 これら原本収録の三篇に加え、侯景の乱を遡ること一世紀余、 劉宋の治世下で惹起した『後漢書』編者・范曄の 「解すべからざる」謀反の背景に迫った「史家范曄の謀反」をあらたに採録。 ■目次■ 第一章 南風競わず― 侯景の乱始末記 白日黯し 朔北の嵐 蕭衍老公を縛取せん 南朝四百八十寺 江南の光と影 侯景の帰順 天の使い 侯景叛く 台城の攻防 偽約成る 台城落つ 侯景海上に果つ 余論 第二章 徐陵― 南朝貴族の悲劇 江南の使臣 公宴 獫狁の災 北斉王朝の誕生 一家の悲運 楊僕射に与うる書 梁の元帝政権始末 江南への帰還 陳覇先の登場 南朝の黄昏 第三章 後梁春秋― ある傀儡王朝の記録 江陵の陥落 長子に利あらず 竜躍の基趾 附庸 壮心いまだ已まず 百獣率舞 松筠の節 吾が君は反らず 結び 補篇 史家范曄の謀反 著:吉川忠夫 ISBN:978-4-909868-00-8 C0322 本体価格:1800円 発行:2019年12月1日
-
宇宙大将軍侯景SFアンソロジー 梁は燃えているか
¥3,300
著 大恵和実オオエカズミ(編)藤吉亮平フジヨシリョウヘイ(編) 装幀 水戸部 功 本文組版 はあどわあく(大石十三夫) 価格 3,300円+税 ISBN 978-4-909868-20-6 Cコード 0095 判型 四六判、上製、カバーなし、箔押し 内容紹介 六世紀、南北朝時代の中国に稀代の梟雄が誕生した。北朝・南朝の双方で反乱を起こし、自身が巻き起こした混沌の中で、前代未聞の称号「宇宙大将軍」を名乗った男、侯景である。 侯景の知名度は高いとはいえない。しかしその人生、その時代はいわば「ネタの宝庫」だ。ではそれらを種に物語を書いたら、どのような実が結ぶだろうか――。 本書には、宇宙大将軍侯景をインスピレーションの種として、15名の作家が銘々に紡いだ15篇の物語が収録されている。 「アンソロジーを編むにあたっては、侯景SFというテーマがあまりにも狭いため、似たような作品ばかりになるのではないかと心配した。しかし、ふたを開ければとんでもない。極狭のテーマに対し、かくも多種多様な作品が寄せられたのである」(編者解説より) 予備知識はいらない。読者のなかに、異形の怪物として侯景が立ち上がるかもしれないが、責任はとれない。ご注意を。 ジャンル 小説、SF 目次 序 藤吉亮平 十三不塔 太清元年のフードトラック 林譲治 軍師の箱 木海(大恵和実訳) 井戸 田場狩 徳音 宮園ありあ 馬駆林外白 蓮開水上白 武石勝義 宇宙大将軍、名乗るなかれ 楊楓(大恵和実訳) 昇天六記 波間丿乀斎 梁は燃えているか 勝山海百合 偽帝のしおから 大野城 アムリタ 立原透耶 孤 舟 梁清散(大恵和実訳) 金光人日 猿場つかさ 画牌する叛乱者 陸秋槎(大恵和実訳) 法身は滅しない 長谷川京 エクストリーム・グリッチ 編者解説(大恵和実) 「侯景?」から「侯景!」へ 著者プロフィール 大恵和実 (オオエカズミ) (編) 大恵和実 翻訳家、アンソロジスト。1981年生まれ。編訳書『中国史SF短篇集 移動迷宮』『日中競作唐代SFアンソロジー 長安ラッパー李白』など。本業(本名名義)は中国史研究者。 藤吉亮平 (フジヨシリョウヘイ) (編) 藤吉亮平 編集者。1983年生まれ。出版社に勤務し、新書編集部では中国史王朝シリーズを立ち上げ、文芸編集部では中国SFアンソロジーなどを手掛けた。 十三不塔 (ジュウサンフトウ) (著) 十三不塔 作家。1977年生まれ。著書『ヴィンダウス・エンジン』『ラブ・アセンション』など。 林譲治 (ハヤシジョウジ) (著) 林譲治 作家。1962年生まれ。著書〈星系出雲の兵站〉シリーズ、〈知能侵蝕〉シリーズなど多数。 木海 (ムーハイ) (著) 木海 作家、翻訳家。邦訳作品に「保護区」「無重力ネコ銀河、宇宙に誕生!」がある。
